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線路端風景録

こがね

秋と呼ばれる季節になったと感じてからおよそ2か月。
稲刈りはだいたい終わりを迎え、今度は山々が紅葉を迎え里の木々も色づき始めた。

今回はだいぶ遅れて、里が黄金色になっていたころの話題から。

舞台は大河がその名前を変えつつ流れている信越の県境。
急行色に彩られたキハ40系が飯山線に現れた。

山々に囲まれた境界を抜けて、飯山盆地に下りてきた列車を迎え撃つ。
こがね_b0329148_09143851.jpg
9/9 飯山線 9142D 信濃平~戸狩野沢温泉

直前に太陽が雲に隠れようという瞬間もあったものの、通過時は再び明るくなって一安心。
実りを迎えようとする田んぼの間を、急行色が駆け抜けていった。

色だけが急行色でもなぁ…なんて贅沢はもはや言っていられない。
叶うことのない夢を追いかけるのは心労を生むだけだ。
今目の前にあるものを精いっぱい大事にしていきたいと願う。


# by wakashiosai | 2017-11-07 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

瀬戸内の太陽

当初の計画では徳島へ行く予定だった。
狙うのはキハ40系の増結列車と阿波踊りなど。
ところが期間後半の天気予報が悪くこれは取りやめに。

そういえば、去年四国へ行った時にやり残したことがった。
本当は徳島のキハは早々におさえて、最終日は最後まで未踏の県となった広島へと向かう予定だったのだ。
そのあと昨年9月の九州も含めて47都道府県すべてに訪れることを達成できる。
このような計画を密に立てていたのだが、またそのうち機会があるだろうと行程を変更したのであった。

機会は突然に訪れる。西への出発は16日と決めた。
今回の計画を思い浮かべたのは10日。相変わらず急ごしらえの旅行になる。
漠然とやりたいことだけを思い描く。尾道に宿を予約した以外は縛るものはない。
実際に書いた行程表などはなく旅はスタート、久しぶりに夜の新東名を西へ下るのであった。
初めていく土地だが、道が分からなくなったときはgoogleに聞けばよいと思った。

いざ始まってみれば肝心の18日、19日は晴天に恵まれ今回は旅行途中の計画変更はなし。
そもそも、具体的計画などないのだからそれが変わるということも無いのだ。
18日は広島県へ訪れるならば行きたいと思っていた呉線の撮影地へ。
竹原市は忠海が最寄りの黒滝山登山口の入口にある休憩所の俯瞰から。
瀬戸内の太陽_b0329148_21123884.jpg
2017/8/18 呉線 127M 安芸幸崎~忠海

瀬戸内に輝く太陽をイメージしたという真っ黄色への塗り替えが始まってもう7年。
ぼくの広島ゆきを遠ざけた要因の一つがこれだったが、この場所で黄色い電車を撮りたいと思った。

海沿いに敷かれた線路、青い海としまなみ海道の生口島と大三島を繋ぐ多々羅大橋を見渡す。
短い滞在ではあったが、初日から瀬戸内らしさを凝縮させたような鉄道風景にであえて悦に入ったのであった。


# by wakashiosai | 2017-08-30 21:30 | 鉄道撮影(西日本・JR)

夏草茂る

只見線は9時前に会津川口駅を出発する426Dが行ってしまうと、概ね3時間ほどの空白ができてしまう。
いつもはなんだかんだでうまく暇を潰していたのだが、この日はどうも合間にやりたいことが無かった。
第一橋梁の下で水鏡のキハをゲットした後は結構悩んだ末、SLを撮ることに決めた。

国道49号と磐越西線が離れるため、あまり訪れることのなかった豊実方面へ。
煙が期待できるという面縦ポイントに向かった。

真上から痛みを感じるような陽射しが降り注ぐ。
どのくらいの画角を取っておけばよいのかは正直よく分からなかった。
夏草茂る_b0329148_20363259.jpg
2017/7/9 磐越西線 8226レ 豊実~日出谷

列車本数がかなり少ない区間であるからか、線路は夏の草に占拠されている。
漆黒の機関車は草など気にせず、その車体の高さを超えるほどの煙を上げて走ってきた。
煙はおそらく悪いことはないのだろうが、車体横の標識を排除できなかったのが悔やまれる。

この後は杉峠を越えて再び只見線へ。
結果としてSLを撮りにこちらへ来たことは失敗であったのだが、それは終わったからこそ言えることだ。


# by wakashiosai | 2017-07-20 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

18時10分

何度か訪れた只見線であるが、陽の長い時期に撮っておきたいものがあった。

もう3週間ほど前となる、6月11日は梅雨入り前のラストチャンスと踏んで急遽会津へ。
朝は川霧が狙えるかと思っていたが、仮眠から起きることが出来ず朝は遅めのスタートになった。

流れてくる雲に背景を暗くされたり、撮影地を誤認して辿りつけないなどあり日中の戦果はほぼなし。
水鏡を狙える会津盆地を見下ろす俯瞰にも立ち寄ったが雲にやられてしまった。

そうして下界に降りた17時過ぎ。
まだ雲は西の低空に残っていた。

ブナりんラッピング車が通るときは影の中。

今日の最後に期待する18時前。
西の空から希望の陽射しが降り注ぐ。

もう雲は来ないと確信できた通過の少し前。
設定の最終確認をする。遠くから車体が見えてきた。
18時10分_b0329148_16082640.jpg
2017/6/11 433D 只見線 会津高田~根岸

そして迎えた18時10分。
空の抜けもよく、夕方の斜陽を目いっぱいに浴びたキハ40の4両編成が通過していく。
なかなか上がらなかった戦果もこれ1枚で覆ったような気さえする。

最初から撮りたかったものは無事に撮ることができた。
勝利の余韻に浸りながらウキウキの帰宅。


# by wakashiosai | 2017-07-04 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

海岸段丘

海岸線のすぐそばに段丘崖が迫る追良瀬の海岸。
追良瀬川の南側では国道も線路と共に海岸線に沿って通るが、北側は国道が段丘面に上がってしまう。
台の上に鉄道を通せるはずもなく、ここでは五能線だけが海と崖の間隙を縫う。

海に突き出るようにある塩見崎の近くから夕暮れの海岸をいく列車を狙った。
海岸段丘_b0329148_21341339.jpg
2017/5/4 2833D 五能線 追良瀬~驫木

遠くまで続く崖は、ゴールデンウィークの喧騒すらよそにする。
そんな気がした。
川の向こう側に姿を現した列車はすぐには足元にやってこない。
広がる海を眺めながら、ゆったりと流れる時間を楽しんだ。


# by wakashiosai | 2017-06-13 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)