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線路端風景録

霧明ける頃

夜通し運転してもらってたどり着いた先は庄内平野。

到着した時もまだ暗く昼が短くなったことを実感する。
そして辺り一面に立ち込める霧が不安を掻き立てる。
一旦はかなり視界が遮られたがようやく晴れてきたその刹那、踏切が鳴った。
霧明ける頃_b0329148_12115283.jpg
2016/10/16 9815M 羽越本線 羽前水沢~羽前大山

満足とは言えない程度の陽射し。しかし、半面光線が先頭部の形状を如実にあらわす。
明けきらない頃、夢の国から現実へ続く長い夜道をわくわくドリーム号が駆けてきた。
でももう夢も終わり。今日も朝が来てしまった。

隣を気にせず、足を伸ばして寝ることができて気づいたときには見知らぬ世界。
或いはこの列車のようにいつもの場所へと帰着する。いつもとは少し違う列車旅を味わうことできる寝台列車。
そこで夜を過ごした一人ひとりにきっと様々な思い出があることだろう。
そんな魅力も時と共に薄れてしまったのか、定期列車として生き残るのはサンライズのみになってしまった。

昼夜兼用をコンセプトに開発された数少ない電車寝台特急車の583系。
時には昼行の臨時列車として、時には夜行として今もなおそのスタイルを崩さずに走り続けている。
いつかは来てしまう朝まで、よい夢が見られることを希う。


# by wakashiosai | 2016-10-26 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

迫りくる瞬間

関東地方の週末が綺麗に晴れたのは実に6週間ぶりであったらしい。
長らく続いた曇天ばかりの時期はようやく脱したのだろうか。

せっかくの晴天なので手頃に撮れる貨物列車でも撮ろうと思いこの日は久しぶりに下総中山へ。
遠くから目玉の片方だけが目立つ機関車が見えてきた。
迫りくる新更新色の先頭にピントが合って来る。
1つ目のパンタグラフが抜けようとしたその瞬間にシャッターを切った。
迫りくる瞬間_b0329148_20195263.jpg
2016/10/15 1094 総武本線 下総中山
今日も中パンは綺麗に決まらない。
これでも及第点になるかもしれないが、成功を知っていると妥協できないものである。


# by wakashiosai | 2016-10-19 19:30 | 鉄道撮影(関東・JR)

青空は遠くへ

収穫の秋。晴天の秋。
増えてきた週間予報の晴れマークに期待が高まる。

今回は先週の続き。
青空は遠くへ_b0329148_21165897.jpg
2016/9/25 9216 磐越西線 関都~川桁
郡山へ向かうこの時ばかりの快速はED75が旧型客車5両を牽く。
オハニが混じらない端正な姿の5両編成でやってきた。
開く窓から顔や腕が見えるのは盛大にやられても困るが、らしさを感じられてよいものである。

残念ながら719系快速が行った後は雲が広がってきた。少しは盛り返したが結果はこの通り。
元々良くはない予報の中昼過ぎまで持ってくれたこと自体ありがたいことだったのかもしれない。
最近は編集技術が素晴らしいらしくうまくやればこんな状態も救えるという。
しかし、陽光降り注ぐときの写真がこの状況で一番なのは言うまでもない。
環境が整えばやってみたい技ではあるが曇ってしまったものはもう仕方がない。
終わりよければなんとやら。
一番良い気分で、後味よく帰途につけるのはその日の最後を美しい晴天のもとでVに決まった時だ。


# by wakashiosai | 2016-10-12 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

みのりのいろ

暑さもだいぶ和らいだ彼岸明けのこの日は実りの会津へ。

黄金色に染まる田んぼの縁で構えた。
みのりのいろ_b0329148_20410215.jpg
2016/9/25 3238M 磐越西線 関都~川桁
郡山へ向かう快速は719系4両。
磐越西線らしいあかべぇ塗装の編成ではなくノーマルな原色の719系同士でやってきた。
複線区間を走る長い編成もよいが、単線の田園地帯をゆく姿も趣のあるものである。

黄金色に限らず気が付いたら旬が終わっているのはいつものこと。
そしてこれからの時期はどんどん昼間の太陽も下がっていく。
季節物と太陽の運行は常に注意深く追いかけていきたいものである。


# by wakashiosai | 2016-10-05 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)

いつか再び光が差すことを願って

毎年台風が多く通過する9月も終盤を迎えた。

台風10号で被災された北海道や岩手などの各地域が一刻も早く復興を遂げることを祈る。


時は遡り11年前。
2005年の台風14号により延岡から高千穂を結ぶ高千穂線が橋梁や路盤の流失など大きな被害を受けた。
県などは費用などの大きさから復旧を断念。同線もじきに廃止されてしまう。

しばらくして被害の無かった高千穂側では”スーパーカート”が鉄路を走るようになった。
高千穂駅から岩戸川に架かる高千穂橋梁までを往復するという。
100 mの高さがあるという橋の上はさぞかし絶景であろう。

天岩戸神社からの帰り道、鉄橋が目に入り車をとめた。
いつか再び光が差すことを願って_b0329148_21594168.jpg
2016/9/9 (旧)高千穂線 深角~天岩戸

実りを迎える棚田の奥に高千穂橋梁を望む。

いつかは延岡までの復旧を。
錆びついてしまっただろう鉄路が輝きを取り戻す時に思いを馳せて。
この地で再び列車が走る日が来ることを夢見てシャッターを切った。


# by wakashiosai | 2016-09-28 19:00 | 鉄道撮影(私鉄)