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線路端風景録

霧明ける頃

夜通し運転してもらってたどり着いた先は庄内平野。

到着した時もまだ暗く昼が短くなったことを実感する。
そして辺り一面に立ち込める霧が不安を掻き立てる。
一旦はかなり視界が遮られたがようやく晴れてきたその刹那、踏切が鳴った。
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2016/10/16 9815M 羽越本線 羽前水沢~羽前大山

満足とは言えない程度の陽射し。しかし、半面光線が先頭部の形状を如実にあらわす。
明けきらない頃、夢の国から現実へ続く長い夜道をわくわくドリーム号が駆けてきた。
でももう夢も終わり。今日も朝が来てしまった。

隣を気にせず、足を伸ばして寝ることができて気づいたときには見知らぬ世界。
或いはこの列車のようにいつもの場所へと帰着する。いつもとは少し違う列車旅を味わうことできる寝台列車。
そこで夜を過ごした一人ひとりにきっと様々な思い出があることだろう。
そんな魅力も時と共に薄れてしまったのか、定期列車として生き残るのはサンライズのみになってしまった。

昼夜兼用をコンセプトに開発された数少ない電車寝台特急車の583系。
時には昼行の臨時列車として、時には夜行として今もなおそのスタイルを崩さずに走り続けている。
いつかは来てしまう朝まで、よい夢が見られることを希う。


by wakashiosai | 2016-10-26 20:00 | 鉄道撮影(信越・東北・北海道・JR)
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